稀記

坂口美紅です。

今日は、カメラを向けたら一枚だけと決めて

公園へ行きました。

緑の沢山ある公園へ

 

 

種の異なる青葉が、陽を浴びて影を作っていた。

住所も扉も、鍵すら持たず

境界線無く共存しているんだなと

それぞれが自由に手足を伸ばし、

どこかが重なりながらも、深呼吸している。

 

 

池を囲うように設置されたベンチに座る人々は皆、呼吸が深い

目線の先、草の影からプラプラと揺れる脚が見え、

いいねと心の中で呟く

前を通る時、その陽気な揺れの持ち主がお婆さんであったと知り、

なおのこといいねと親指を立てる

 

 

パーパー〜 」という遠くの大きな声に

「なぁーにぃ〜」という遠くの大きな声が答える

 

 

池の岸を掴んで、水面とほぼ水平に伸びた大木

豊かな葉も、水面も、繋がるか繋がらないかの所でゆさゆさと風に揺られている。

 

水鳥の雛が、ドゲピーの

「チョッケプリィー!」の「リィーーー!」の音で鳴く。

 

今日は公園へ行きました。

緑の沢山ある公園へ

 

どれも音がしました。

呼吸をしているものからは、どれも音がしていました。

瞳で捉えきれる物よりも、遥かにカラフルでした。

 

 

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