稀記

坂口美紅です。

2018-01-01から1年間の記事一覧

誰も入ってこないのに片付けないと叱られる年末

前の晩、睡魔に負けて温かい靴下を探さずに布団へ入った夜の後迎える朝、 目を覚ますと、自分の足先が温まっている事に気付く。 凄い幸福感、 私の足、温かい。 静かに擦り合わせる同じ温度の右足と左足。 もそもそと動かしても冷たいところが無い布団の中。…

蛍光のシミでうやむやにした贅沢。

朝コンビニへ立ち寄ると、 安い肉まんは加熱中。 落ち込みはしたけれど、高い肉まんを食べてみる運命だったのかもしれないと思った。 カラシを付けてもらう。いつも付けないけど一つ付けてもらう。 誰も居ない駅の待合室、こんな所ですみません。 とてもお腹…

頬杖をつきながら不規則に揺れる背中達

一般教養、座学 教室に入ってすぐの、一番後ろの席 講義をBGMに、机下からおしゃぶり昆布の梅を取り出して静かにしがむ。 これが平成最後の というより人生最後の、後期授業始まりである。 先生は丁寧に謙遜しながら自慢話をしている。 学校。 もう次の春か…

添削にも向かない文章。

今日は卒業公演の通し稽古がありました。 集大成という言葉の意味とトゲを知りました。 通し稽古に恐怖がいっぱいだった夜、 明日は必ず来るよ!と背中を押してくれる曲は沢山あるのに、来て欲しくない明日に備える為の共感ソングは無いという事に気付きまし…

勇気についての考察

セブンイレブンの唐揚げ棒、 最後の一欠片がひゅるんと落ちそうになった。 全神経で「 ビクッ! 」とした。 なんだ、しっかりと棒に繋がっているじゃないか こんな小さな肉片に脅かされるとは、 私の肝っ玉は小さいものだなぁ。 と、思いかけて止めた。 強靭…

吹いた息は空の青さの肥やしに

私は今、福神漬け。 単品のつもりで歩いていても、 ひょいとカレー皿の端に乗せられるのです。 あぁ、全てはカレーありきだったのかもとさえ思うのです。 カラスが坂を歩いていました。 それを見て、思ったのです。 トリは翼があるから飛べるけれど、その前…